この記事のポイント
- 罹災証明書=住家(住んでいる家)の被害の程度を市町村が認定して証明するもの。災害対策基本法にもとづく法定の証明書で、支援金・応急修理・減免のほぼすべての入口です
- 被災証明書=店舗・事務所など住家以外の建物の被害を証明するもの。保険金の請求などで使います。名称や扱いは自治体によって異なります
- 被災届出証明書=自動車・物置など動産の被害を「届け出た事実」を証明するもの。被害の程度は証明しません
- 火災の「り災証明書」は消防署の所管で、台風・大雨の罹災証明書とは別の書類です
- 被害が軽微(屋根瓦の一部破損・床下浸水など)なら、本人が撮った写真で「一部損壊」として申請する自己判定方式を使える自治体があります。現地調査が省略され、早く受け取れます
証明書の名称・種類・申請方法は市町村ごとに異なります。この記事では名古屋市・沼津市・横浜市の公式案内を例に説明しています。お住まいの自治体の案内で必ず確認してください。
3種類の証明書を「何が被害を受けたか」で見分ける
| 証明書 | 対象 | 証明する内容 | 申請できる人(名古屋市の例) |
|---|---|---|---|
| 罹災証明書 | 住家(住んでいる家) | 被害の程度(全壊〜一部損壊)を市町村が認定 | 世帯主または同一世帯の人 |
| 被災証明書 | 住家以外の建物(店舗・事務所・倉庫など) | 被害の程度(自治体によっては事実のみ) | 非住家の所有者 |
| 被災届出証明書 | 動産(自動車・物置・家財など) | 被害を届け出た事実。程度は証明しない | 動産等の所有者 |
名古屋市は「災害対策基本法に基づく自然災害(暴風、豪雨、地震等)の被害があり、被災した方から申請があった場合に、罹災証明書、被災証明書または被災届出証明書を交付します」と案内しており、3種類とも区役所総務課が窓口です。
沼津市の案内では、被災証明書は「自然災害(火災を除く)により住家以外の建物(店舗、事務所等)が被害を受けた場合に、被害の程度などを証明するもの」、被災届出証明書は「住家・非住家以外の物件(自動車、物置等)の受けた被害について、被災者から市に届出があったことを証明するもの」で、「被害の程度を証明するものではありません」とされています。
注意点:自治体によって名称が変わります。横浜市では住家以外の建物について「被災非住家建物証明書」を発行し、「被災した事実のみを確認し、証明するものです。『全壊』『半壊』等の被害の程度の認定は行いません」と明記しています。つまり同じ「非住家の証明書」でも、程度を認定する自治体と、事実だけを証明する自治体があります。
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罹災証明書だけが「支援の入口」になる理由
罹災証明書は災害対策基本法第90条の2にもとづき、市町村が被害認定調査を行ったうえで交付します。全壊・大規模半壊・中規模半壊・半壊・準半壊・一部損壊の6区分のどれに当たるかが記載され、この区分によって受けられる支援が決まります。
- 被災者生活再建支援金(全壊・大規模半壊・中規模半壊などが対象)
- 災害救助法による住宅の応急修理(大規模半壊〜準半壊が対象・限度額75万7,000円/準半壊36万7,000円)
- 自治体の災害見舞金(名古屋市の例では床上浸水も対象)
- 税・保険料・公共料金の減免、各種手数料の免除
- 応急仮設住宅への入居、災害復興住宅融資
被災証明書や被災届出証明書は、これらの住家向け支援の入口にはなりません。主な用途は保険金の請求、勤務先や取引先への被害の証明、事業者向け支援の申請などです。区分ごとに受けられる支援は「被害区分と支援制度の早見表」にまとめています。
沼津市は「民間保険会社の保険金の請求にあたっては、証明書が不要な場合もありますので、詳しくは加入の保険会社等にご確認ください」と案内しています。火災保険の水災補償を請求するなら、証明書を待たずに保険会社へ連絡し、写真と見積もりで進められることがあります。証明書の発行を待って請求が遅れるほうが損です。
火災の「り災証明書」は消防署 — 台風・大雨とは別の窓口
同じ「りさい証明書」でも、火災による被害の証明は消防署が発行します。名古屋市は罹災証明書の案内で「火災によって被害を受けた場合に交付する『り災証明書』とは異なります。り災証明書については、所管の消防署におたずねください」と注記しています。
台風・大雨・地震などの自然災害は市町村の窓口(名古屋市なら区役所総務課)、火災は消防署。窓口を間違えると二度手間になるので、最初に確認してください。
軽い被害なら「自己判定方式」で早く受け取れる
被害認定調査は職員が現地を訪問して行うため、大きな災害では調査まで時間がかかります。そこで、被害が軽微な場合に本人の写真で判定する「自己判定方式」を設けている自治体があります。
沼津市の案内では「被害の程度が軽微(屋根瓦の一部破損、床下浸水等)の場合、申請者本人が撮影した写真に基づいて、被害の程度を『準半壊に至らない(一部損壊)』として申請を行うことができます。現地調査が省略され通常よりも迅速に」証明書が発行されるとしています。
- 使えるのは「一部損壊」で申請する場合だけ。半壊以上を主張するなら現地調査が必要です
- 床下浸水・屋根瓦の一部破損・雨どいの破損など、支援金や応急修理の対象にならない軽微な被害向け
- 保険金請求や減免の手続きで証明書が要るときに、待たずに受け取れるのが利点
- 自己判定方式を採用しているかどうかは自治体によります。案内になければ窓口で確認してください
注意点:写真は、被害箇所の近景だけでなく、建物全体と被害の位置関係がわかる引きの写真、浸水ならメジャーや目印と一緒に高さがわかる写真を残してください。撮り方は「[罹災証明書のとり方](/guide/risai-shomeisho-guide)」で解説しています。
申請期限と手数料
手数料は名古屋市・横浜市・沼津市のいずれも無料です。申請期限は自治体によって異なりますが、横浜市は「罹災証明書又は被災非住家建物証明書の申請期間は、原則被災した日から6か月以内です」とし、市内に甚大な被害が生じた災害では延長することがあるとしています。
期限があるからといって急いで片付ける必要はありませんが、写真だけは片付ける前に残してください。写真がないと、後から申請しても被害の程度を判定できないことがあります。
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よくある質問
自宅兼店舗の場合、どちらの証明書を申請しますか?
住んでいる部分は罹災証明書、店舗部分は被災証明書と、対象ごとに分けて申請するのが基本です。自治体によって扱いが異なるため、申請時に「自宅兼店舗」であることを伝えて窓口の案内に従ってください。
車が水没しました。罹災証明書で証明できますか?
罹災証明書は住家が対象なので、車の被害は証明できません。自動車や物置などの動産は「被災届出証明書」(名称は自治体による)の対象で、被害を届け出た事実を証明します。自動車保険の車両保険を請求する場合は、証明書が不要なこともあるため、先に保険会社へ確認してください。
被災証明書があれば支援金や応急修理を受けられますか?
受けられません。被災者生活再建支援金や災害救助法の応急修理は、住家の被害を罹災証明書で認定された世帯が対象です。被災証明書は店舗・事務所など住家以外の建物の証明で、主に保険金請求や事業者向け支援に使います。
火事で家が燃えました。市役所で罹災証明書をもらえますか?
火災の場合は消防署が「り災証明書」を発行します。市町村が発行する台風・大雨・地震などの罹災証明書とは別の書類です。名古屋市も「り災証明書については、所管の消防署におたずねください」と案内しています。
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お住まいの自治体で使える制度を探す
補助金は国の制度に加え、市区町村ごとの独自制度を併用できることが多くあります。 下記の都道府県、または検索から、お住まいの自治体で使える制度をご確認ください。 多くの自治体ページには、国の省エネ補助金に対応できる「登録事業者」の一覧も掲載しています。 施工会社をお探しの方はあわせてご覧ください。
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