この記事のポイント
- 被害区分は「住家の損害割合」で決まる6段階。全壊50%以上、大規模半壊40%台、中規模半壊30%台、半壊20%台、準半壊10%台、一部損壊10%未満です
- 被災者生活再建支援金(最大300万円)は全壊・大規模半壊・中規模半壊まで。半壊以下は対象外です
- 災害救助法の応急修理は大規模半壊〜準半壊が対象。限度額は75万7,000円、準半壊のみ36万7,000円です
- 一部損壊(床下浸水など)は国の主な支援の対象外ですが、自治体の見舞金・減免・保険金請求には証明書が役立ちます
- 「床上浸水」は区分の名前ではありません。浸水の深さで半壊や中規模半壊などに判定されます
支援金の金額は被災者生活再建支援法(内閣府)、応急修理の限度額は内閣府告示、見舞金は名古屋市の例(2026年9月)にもとづきます。制度の適用の有無・金額は災害ごと・自治体ごとに異なります。必ず公式情報をご確認ください。
6区分の境目 — 損害割合で決まる
内閣府「災害に係る住家の被害認定基準運用指針」(令和8年6月)では、住家の主要な構成要素の経済的被害が住家全体に占める割合(損害割合)で区分を判定します。市町村の調査員が屋根・外壁・床・柱などの部位ごとに損傷を調べ、合計して割合を出します。
| 区分 | 損害割合(損害基準判定) | 被災者生活再建支援法の呼び方 |
|---|---|---|
| 全壊 | 50%以上 | 全壊世帯 |
| 大規模半壊 | 40%以上50%未満 | 大規模半壊世帯 |
| 中規模半壊 | 30%以上40%未満 | 中規模半壊世帯 |
| 半壊 | 20%以上30%未満 | (対象外) |
| 準半壊 | 10%以上20%未満 | (対象外) |
| 準半壊に至らない(一部損壊) | 10%未満 | (対象外) |
水害で木造・プレハブの1〜2階建ての場合は、浸水の深さで判定する簡便な方法が使われます。名古屋市の令和8年9月の大雨でも、木造・プレハブの1〜2階建て戸建住宅は職員が外観から浸水深を測る外観調査で判定しています。
注意点:「床上浸水」「床下浸水」は被害の速報で使われる言葉で、罹災証明書の区分ではありません。床上浸水でも深さが浅ければ半壊、深ければ中規模半壊や大規模半壊と判定されることがあり、床下浸水は多くの場合「一部損壊」です。
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早見表 — 区分ごとに受けられる主な支援
| 区分 | 被災者生活再建支援金(基礎+加算) | 応急修理(災害救助法) | 自治体の見舞金(名古屋市の例) |
|---|---|---|---|
| 全壊 | 基礎100万円+加算最大200万円=最大300万円 | 原則対象外(修理で居住可能なら個別に対象) | 単身17万円/2人以上19万円 |
| 大規模半壊 | 基礎50万円+加算最大200万円=最大250万円 | 75万7,000円以内 | 市の案内は「半壊」区分で単身10万円/2人以上12万円(大規模・中規模の扱いは要確認) |
| 中規模半壊 | 加算のみ最大100万円 | 75万7,000円以内 | 同上 |
| 半壊 | 対象外 | 75万7,000円以内 | 同上 |
| 準半壊 | 対象外 | 36万7,000円以内 | 床上浸水なら単身5万円/2人以上7万円 |
| 一部損壊 | 対象外 | 対象外 | 床上浸水なら同上。床下浸水は対象外 |
見舞金の列は名古屋市(市と愛知県の合計)の例です。自治体によって金額も対象区分も異なり、見舞金制度がない自治体もあります。支援金の適用は都道府県が災害ごとに決めるため、被害を受けた災害に適用されているかの確認が先です。
被災者生活再建支援金 — 全壊・大規模半壊・中規模半壊まで
被災者生活再建支援法にもとづく支援金は、被害区分で決まる「基礎支援金」と、住宅をどう再建するかで決まる「加算支援金」の2本立てです。申請窓口は市町村で、基礎支援金の添付書類は罹災証明書と住民票などです。
| 区分 | 基礎支援金 | 加算支援金(建設・購入) | 加算支援金(補修) | 加算支援金(賃借) |
|---|---|---|---|---|
| 全壊・解体・長期避難 | 100万円 | 200万円 | 100万円 | 50万円 |
| 大規模半壊 | 50万円 | 200万円 | 100万円 | 50万円 |
| 中規模半壊 | なし | 100万円 | 50万円 | 25万円 |
- 世帯人数が1人の場合は、各金額の4分の3になります
- 「解体」は半壊または敷地被害で住宅をやむを得ず解体した世帯、「長期避難」は危険で長期間居住できない世帯です
- 賃借の加算支援金は公営住宅を除きます
- 半壊・準半壊・一部損壊は支援金の対象外です。この層の支援は応急修理と自治体独自制度になります
制度の適用要件は「10世帯以上の住宅全壊被害が発生した市町村」などで、都道府県が災害ごとに適用を判断します。詳しい申請のやり方は「被災者生活再建支援金 — 対象・金額・申請のやり方」をご覧ください。
住宅の応急修理 — 大規模半壊から準半壊まで
災害救助法が適用された市町村で、市町村が修理業者に依頼し費用を直接業者に支払う制度です。内閣府告示の一般基準では、対象は「災害のため住家が半壊(焼)し、自らの資力では応急修理をすることができない者(半壊、中規模半壊世帯)」と「大規模な補修を行わなければ居住することが困難な程度に住家が半壊した者(大規模半壊世帯)」で、限度額は1世帯当たり757,000円以内です。準半壊は別枠で367,000円以内です。
- 対象部位:居室・炊事場・便所など日常生活に必要最小限の部分
- 期間:災害発生の日から3か月以内に完了(国の災害対策本部が設置された災害は6か月以内)
- 借家は通常は所有者が修理するため対象外ですが、所有者が修理せず居住者の資力でも修理しがたい場合は対象になり得ます。会社の寮・社宅・公営住宅は対象外です
- 修理業者に先に工事費を払うと対象外になります。必ず市町村の窓口に申し込んでから業者と進めてください
一部損壊・床下浸水でも証明書を取る意味
国の支援金も応急修理も対象外の「一部損壊」ですが、罹災証明書を取っておく意味はあります。
- 火災保険・共済の請求で提出を求められることがある(不要な場合もあるので保険会社に確認)
- 自治体の減免制度(住民税・固定資産税・国民健康保険料・水道料金など)や手数料免除の要件になることがある
- 自治体独自の見舞金や修理費補助の対象になることがある(名古屋市の例では床上浸水が見舞金の対象)
- 災害ごみの無料収集、災害復興住宅融資などの手続きで使うことがある
軽微な被害は、本人の写真で判定する「自己判定方式」で早く受け取れる自治体があります。詳しくは「罹災証明書と被災証明書の違い」で解説しています。
判定に納得できないとき — 再調査を申し出る
被害認定調査には第1次調査(外観)と第2次調査(内部立ち入り)があります。第1次調査の結果に納得できない場合は、市町村に申し出て第2次調査を受けられます。第2次調査は屋根・外壁・内壁・床・柱・天井・建具・設備など部位ごとに損傷を調べるため、外観だけでは見えない被害が反映されることがあります。
半壊と中規模半壊の境目(損害割合30%)は、支援金が0円か最大100万円かの分かれ目です。大規模半壊と全壊の境目(50%)は基礎支援金が50万円か100万円かの差になります。境目に近いと感じるなら、片付け前の写真をそろえて再調査を申し出る価値があります。
水災あり・なしの両方の見積もりを出してもらってから決めてください。同じ建物でも会社で差が出ます。
水災補償の付帯率61.8%(2024年度・損害保険料率算出機構)/令和元年台風19号の火災保険支払 約4,442億円(日本損害保険協会)
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よくある質問
半壊と判定されました。被災者生活再建支援金はもらえますか?
半壊は被災者生活再建支援金の対象外です。支援金の対象は全壊・大規模半壊・中規模半壊(および解体・長期避難)の世帯です。半壊の世帯が使える主な国の制度は、災害救助法の住宅の応急修理(限度額75万7,000円)です。判定が中規模半壊の境目に近いと感じる場合は、第2次調査を申し出ることができます。
床上浸水は何の区分になりますか?
床上浸水は区分の名前ではなく、浸水の深さによって判定されます。木造・プレハブの1〜2階建てでは浸水深で簡便に判定する方法が使われ、浅い床上浸水は半壊、深ければ中規模半壊・大規模半壊に判定されることがあります。床下浸水は多くの場合「一部損壊」です。
一部損壊だと何ももらえませんか?
国の支援金と応急修理は対象外です。ただし、自治体の見舞金(名古屋市の例では床上浸水が対象)、税や保険料の減免、手数料免除、火災保険の請求などで罹災証明書が役立ちます。申請は無料なので、被害があれば取っておくことをおすすめします。
応急修理と支援金は両方もらえますか?
制度上は別の制度なので、大規模半壊・中規模半壊の世帯は応急修理と支援金の両方の対象になり得ます。ただし応急修理は「応急修理によって避難所等への避難を要しなくなる」ことなどが条件で、応急仮設住宅との併用にも制限があります。市町村の窓口で自分の世帯がどの制度を使えるか確認してください。
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補助金は国の制度に加え、市区町村ごとの独自制度を併用できることが多くあります。 下記の都道府県、または検索から、お住まいの自治体で使える制度をご確認ください。 多くの自治体ページには、国の省エネ補助金に対応できる「登録事業者」の一覧も掲載しています。 施工会社をお探しの方はあわせてご覧ください。
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