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耐震診断の流れと費用2026|1981年以前の家がまずやるべきこと・無料診断の探し方

2026/07/14 更新 ・ 出典は記事末に明記

「うちの家、大きな地震が来たら大丈夫だろうか」。1981年(昭和56年)5月31日以前に建てられた家にお住まいの方なら、一度は考えたことがあるはずです。地震対策の第一歩は、いきなり工事を検討することではなく、まず「耐震診断」で家の現状を知ることです。多くの自治体では、この診断費用を無料〜数千円程度の自己負担で受けられる助成制度を用意しています。この記事では、耐震診断の申し込みから結果の見方、その後の補強設計・改修工事までの流れと、各段階で使える補助金を順を追って解説します。

この記事のまとめ

ポイント
  • 対象は旧耐震の家:1981年(昭和56年)5月31日以前に着工された住宅(旧耐震基準)が、耐震診断助成の主な対象。
  • 流れは3ステップ:①耐震診断 → ②補強設計 → ③改修工事。それぞれの段階に別の補助制度があり、必ず診断からスタートする。
  • 診断はほぼ無料:多くの自治体で、耐震診断の自己負担は無料〜数千円程度。自治体が建築士を派遣してくれる仕組みが一般的。
  • 評点1.0が合格ライン:診断結果の「上部構造評点」が1.0未満なら「倒壊する可能性がある」と判定され、改修補助の対象になるのが一般的。
  • 事前申請が鉄則:診断も工事も、動き出す前に自治体へ申請するのが原則。契約・着工後の申請は補助されない。

なぜ「1981年5月31日以前の家」が対象なのか

耐震診断の助成制度で必ず登場するのが「1981年(昭和56年)5月31日以前に着工された住宅」という線引きです。1981年6月1日に建築基準法の耐震基準が大きく改正され、それ以前の基準は「旧耐震基準」、以降は「新耐震基準」と呼ばれています。

旧耐震基準は「震度5程度の中地震で倒壊しないこと」を目安としており、震度6強〜7クラスの大地震は想定されていませんでした。実際、1995年の阪神・淡路大震災では、犠牲者の多くが旧耐震基準の住宅の倒壊によるものだったとされています。こうした背景から、国と自治体は旧耐震基準の住宅の耐震化を政策の重点に置いており、診断・設計・改修の各段階に補助を用意しています。

注意点着工日が基準になる点に注意してください。「1981年築」でも、着工が同年5月31日以前なら旧耐震基準の可能性があります。建築確認済証や検査済証の日付で確認できます。書類が見つからない場合も、自治体の窓口で相談すれば確認方法を案内してもらえます。

診断から工事までの3ステップと各段階の補助

耐震化は「診断 → 補強設計 → 改修工事」の3段階で進みます。それぞれ別の補助制度が用意されているのが一般的で、順番を飛ばすことはできません。

ステップ内容補助の目安
① 耐震診断建築士などの専門家が現地調査し、家の耐震性を評点で判定する多くの自治体で自己負担は無料〜数千円程度(自治体による建築士派遣型が主流)
② 補強設計診断結果をもとに、どこをどう補強するかの設計図と工事費見積もりを作成する設計費用の一部(例:3分の2など)を補助する自治体が多い
③ 改修工事壁の補強、基礎の補修、屋根の軽量化などの工事を実施する工事費の一部(上限50万〜150万円程度が多い)を補助。自治体により大きく異なる

ポイントは、②と③の補助を受けるには「①の診断で評点が基準未満と判定されていること」が前提条件になることです。つまり、どんなに家の弱さを自覚していても、公的な診断を経ていなければ改修補助は受けられません。まず診断から始めてください。

耐震診断では何を調べる?「上部構造評点」の見方

木造住宅の耐震診断で広く使われているのが、日本建築防災協会の「一般診断法」です。建築士が現地で壁の配置や量、劣化の状況、屋根の重さ、基礎の種類などを調査し、「上部構造評点」という数値で耐震性を判定します。

上部構造評点は「建物が現在持っている強さ(保有耐力)÷ 大地震で倒壊しないために必要な強さ(必要耐力)」で計算され、次の4段階で判定されます。

上部構造評点判定
1.5以上倒壊しない
1.0以上1.5未満一応、倒壊しない
0.7以上1.0未満倒壊する可能性がある
0.7未満倒壊する可能性が高い

合格ラインは「1.0」です。評点が1.0未満だと「倒壊する可能性がある」と判定され、多くの自治体で改修補助の対象になります。改修工事では、この評点を1.0以上に引き上げることが補助の条件とされるのが一般的です。

💡 診断当日はどんなことをする?

診断は建築士が自宅を訪問し、2〜3時間程度かけて行うのが一般的です。図面の確認、壁や基礎の目視調査、床下・天井裏の確認などが中心で、壁を壊すような破壊調査は通常行いません。図面がなくても診断できるケースが多いので、書類がないことを理由にあきらめる必要はありません。

診断後に「改修しない」という選択肢もある

評点が低いと判定されても、費用や住まいの事情から本格的な耐震改修に踏み切れないケースもあります。その場合でも、命を守るための「部分的な対策」に補助を出している自治体があります。

  • 耐震シェルター・防災ベッドの設置:家全体を補強する代わりに、寝室など一部屋だけを頑丈な箱で守る装置を設置する。数十万円規模の費用に対し補助を出す自治体がある
  • ブロック塀の撤去:地震時に倒壊して通行人を傷つける危険のある古いブロック塀の撤去・作り替えに補助を出す自治体が多い
  • 建替え・除却(解体):改修ではなく建替えや解体を選ぶ場合に、耐震改修と同等の補助を出す自治体もある

「フル改修は無理だから何もしない」ではなく、診断結果をもとに自治体の窓口へ「うちで使える制度は何がありますか」と相談してみることをおすすめします。

申請の順序:診断も工事も「事前申請」が原則

耐震関連の補助金で最も多い失敗が、申請の順番の間違いです。次の順序を守ってください。

  • STEP1:自治体の窓口(建築指導課・防災対策課など)へ耐震診断を申し込む。自分で診断業者と契約する前に、必ず自治体へ連絡する
  • STEP2:診断を受け、評点の判定結果を受け取る
  • STEP3:改修する場合は、補強設計・工事の補助金を「業者との契約・着工の前」に申請し、交付決定を待つ
  • STEP4:交付決定後に契約・着工し、完了後に実績報告を提出して補助金を受け取る

特に注意したいのは、交付決定前に契約や着工をしてしまうと、原則として1円も補助されないことです。また、耐震補助金は年度ごとの予算制で、受付期間や件数の上限がある自治体がほとんどです。春先(4月〜)に募集が始まり、予算に達し次第終了するケースが多いので、早めに動きましょう。

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よくある質問

耐震診断は本当に無料で受けられますか?

自治体によります。旧耐震基準の木造住宅を対象に、自治体が建築士を派遣して自己負担無料で診断を行うところもあれば、数千円〜1万円程度の自己負担を求めるところもあります。お住まいの市区町村の公式サイトで「耐震診断 助成」と検索するか、建築指導課・防災対策課などの窓口へ問い合わせてみてください。

1981年6月以降に建てた家は診断を受けられませんか?

助成の対象外となる自治体が多いものの、自費であれば診断自体は受けられます。また、2000年(平成12年)の基準改正前に建てられた木造住宅(いわゆる新耐震・2000年基準以前)を対象に、独自の助成を行う自治体も出てきています。新耐震の家でも接合部の仕様などに弱点がある場合があるため、気になる方は自治体へ確認してみてください。

診断の結果、評点が1.0以上だったら補助金は使えませんか?

耐震改修の補助は「評点1.0未満の住宅を1.0以上に引き上げる工事」を条件とするのが一般的なため、すでに1.0以上と判定された場合は対象外となることが多いです。ただし、診断費用の助成自体は結果にかかわらず受けられます。「一応、倒壊しない」という安心材料が得られること自体に価値があるので、まずは診断を受けてみることをおすすめします。

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お住まいの自治体で使える制度を探す

補助金は国の制度に加え、市区町村ごとの独自制度を併用できることが多くあります。 下記の都道府県、または検索から、お住まいの自治体で使える制度をご確認ください。 多くの自治体ページには、国の省エネ補助金に対応できる「登録事業者」の一覧も掲載しています。 施工会社をお探しの方はあわせてご覧ください。

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出典: 国土交通省「住宅・建築物の耐震化について」(mlit.go.jp)、一般財団法人日本建築防災協会「木造住宅の耐震診断と補強方法(一般診断法)」(kenchiku-bosai.or.jp)の上部構造評点の判定区分(1.5以上=倒壊しない/1.0以上1.5未満=一応、倒壊しない/0.7以上1.0未満=倒壊する可能性がある/0.7未満=倒壊する可能性が高い)をもとに整理。診断・設計・改修の補助額や受付期間は自治体により異なるため、必ずお住まいの市区町村の公式ウェブサイトや窓口で最新の募集要項をご確認ください