災害救助法とは — 大きな災害の直後に「救助」を行うための法律
- 災害救助法は、災害の直後に避難所・仮設住宅・食事・住宅の応急修理などを行うための法律です
- 救助を行うのは都道府県知事で、市町村に事務の一部を任せることができます。費用は都道府県が負担し、その最大50%を国が負担します
- 法律が適用された市町村だけで使える支援があります。代表例が「住宅の応急修理」(1世帯75万7,000円以内)です
災害に関する法律は、備え(予防)、直後の救助、その後の復旧・復興と段階ごとに分かれています。災害救助法が受け持つのは、このうち発災直後の「応急救助」です。内閣府の資料では、法の目的を「応急的に、必要な救助を行い、被災者の保護と社会秩序の保全を図ること」としています。
生活再建の段階で使う「被災者生活再建支援金」は、被災者生活再建支援法という別の法律にもとづく制度です。ニュースでは2つがまとめて報じられることが多いものの、適用の条件も窓口も異なります。
どんなときに適用される? 2つの基準
災害救助法は、災害が起きれば自動的に適用されるわけではありません。都道府県が市町村ごとに判断し、内閣府が適用状況を公表します。基準は大きく2つです。
| 基準 | 内容 |
|---|---|
| 家の被害が多い場合(1〜3号基準) | 市町村の人口に応じて決められた数以上の住家が全壊(滅失)した場合 |
| 命や体に危険がある場合(4号基準) | 多数の人が命や体に危害を受けた、または受けるおそれがあり、避難して継続的な救助が必要な場合など |
台風や大雨では、被害が確定する前に4号基準で適用されることがよくあります。「家はまだ壊れていないのに適用された」というのは、このケースです。適用された市町村は、災害救助法の適用地域一覧で確認できます。
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適用されると受けられる救助10種類
内閣府の資料に挙げられている救助の種類は次のとおりです。
- 避難所の設置
- 応急仮設住宅の提供
- 炊き出しなどによる食事の提供・飲料水の供給
- 衣類・寝具などの生活必需品の支給・貸与
- 医療・助産
- 被災者の救出
- 住宅の応急修理
- 学用品の支給
- 埋葬・遺体の捜索や処理
- 住まいや周辺に流れ込んだ土砂などの障害物の除去
救助は「現物」で行うのが原則です。お金を配る制度ではなく、避難所や食事、修理工事そのものが提供されます。また、住民だけでなく、旅行者など、そのときその場所にいる人も対象になります。
住宅の応急修理 — 限度額は75万7,000円、準半壊は36万7,000円
持ち家の人にとって一番関係が深いのが「住宅の応急修理」です。居室・台所・トイレなど、日常生活に最低限必要な部分の修理を、市町村が業者に依頼して行います。
| 被害の程度 | 1世帯あたりの限度額 |
|---|---|
| 半壊・大規模半壊など | 75万7,000円以内 |
| 準半壊 | 36万7,000円以内 |
限度額は内閣府の基準によるもので(令和8年度)、適用された市町村であれば全国共通です。修理は原則として災害発生の日から3か月以内(国の災害対策本部が置かれた災害では6か月以内)に完了させることになっています。
注意:自分で業者と契約して先に支払った工事は、原則として対象になりません。市町村に申し込み、市町村が依頼した業者が修理する仕組みです。修理を急ぐ場合も、まず市町村の窓口に相談してください。
申込みには、被害の程度を示す罹災証明書が必要になるのが一般的です。片付けや修理の前に、被害の様子を写真で残しておきましょう。
適用されたら、まずやること
- お住まいの市町村が適用対象か、適用地域一覧で確認する
- 被害の写真を撮ってから、市町村に罹災証明書を申請する
- 家を直す必要があれば、自分で業者に払う前に市町村へ応急修理を相談する
- 火災保険・共済の補償も確認する(応急修理とは別に請求できます)
被害の程度ごとに使える支援は、被害区分ごとの支援一覧にまとめています。
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よくある質問
災害救助法が適用されないと、応急修理は使えませんか?
住宅の応急修理は災害救助法にもとづく救助なので、法が適用された市町村でのみ使えます。ただし、自治体が独自に修理費を補助している場合があります。お住まいの市町村に確認してください。
賃貸住宅に住んでいても支援を受けられますか?
避難所や食事などの救助は、持ち家か賃貸かに関係なく受けられます。住宅の応急修理は原則として持ち家が対象で、賃貸住宅は通常、家主が修理します。詳しくは市町村の窓口で確認してください。
応急修理と火災保険は両方使えますか?
応急修理は公的な救助で、火災保険は契約にもとづく補償なので、両方を使える場合があります。ただし同じ工事費を二重に受け取ることはできません。工事の範囲を市町村と保険会社の双方に伝えてください。
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