解説ガイド ・ 増築・増改築

増築に補助金は使える?2026|対象になる増改築・確認申請・固定資産税の注意点

2026/07/15 更新 ・ 出典は記事末に明記

「子ども部屋を増やしたい」「親との同居に備えて部屋を建て増ししたい」——そんなときに気になるのが、増築に補助金が使えるかどうかです。結論からお伝えすると、「床面積を増やすだけの単純な増築」への補助は多くありません。一方で、三世代同居のための設備増設や、耐震・省エネ改修を伴う増改築であれば、国や自治体の補助金・減税の対象になる可能性が十分あります。2026年時点の制度の考え方と、建築確認申請・固定資産税といった増築ならではの注意点をまとめました。

この記事のまとめ

ポイント
  • 単純な増築だけへの補助は少ない:「部屋を1つ建て増しする」だけの工事を対象にした補助金は、国・自治体ともに限られる。
  • 補助対象になりやすい増築は3パターン:(1)三世代同居のためのキッチン・浴室・トイレ・玄関の増設 (2)耐震改修・省エネ改修を伴う増改築 (3)子育て・介護目的の間取り変更。
  • 確認申請のルール:防火地域・準防火地域以外で10㎡以内の増築なら建築確認申請は不要(建築基準法第6条第2項)。それ以外は原則必要。
  • 増築すると固定資産税は増える:床面積が増えた分について家屋調査が行われ、翌年度から税額が上がる。
  • リフォーム減税の「増改築等」に該当すれば、住宅ローン減税や所得税の税額控除が使える場合がある。

正直な結論:「単純な増築」だけを補助する制度は少ない

住宅系の補助金は、省エネ性能の向上、耐震化、子育て・高齢者支援、地域への定住促進といった政策目的のために予算が組まれています。そのため「居住スペースを広げたい」という理由だけの増築は、政策目的に直接つながらず、補助対象から外れることがほとんどです。

ただし、これは「増築に補助金がまったく使えない」という意味ではありません。増築工事に次のような目的や工事内容を組み合わせることで、補助金や減税の対象になるケースが数多くあります。

補助対象になりやすい増築のパターン使える可能性のある制度ポイント
① 三世代同居のための増築(キッチン・浴室・トイレ・玄関の増設)自治体の三世代同居・近居支援補助金、国の同居対応リフォーム減税「2箇所目の水まわり・玄関の増設」が要件の中心。親・子・孫の三世代がそろうことが条件のケースが多い
② 耐震改修・省エネ改修を伴う増改築自治体の耐震改修補助、国・自治体の省エネリフォーム補助増築部分そのものではなく、既存部分の耐震補強や断熱改修が補助対象になる。増築と同時に行うと効率がよい
③ 子育て・介護目的の間取り変更子育て対応リフォーム補助、介護保険の住宅改修費(手すり・段差解消など)、バリアフリー改修減税子ども部屋の間仕切り設置や、介護のための部屋の増設・改修が対象になる自治体がある

補足増築を対象に含む自治体の制度は全国に多数あります。当サイトでは増築・増改築が対象に含まれる337制度を特集ページにまとめているので、お住まいの自治体に制度があるかをまず確認してみてください。

増築の前に必ず確認:建築確認申請のルール

増築は「新しく床面積を増やす建築行為」なので、建築基準法上の手続きが必要になる場合があります。補助金の検討と同じくらい大切なポイントです。

10㎡以内の増築なら確認申請が不要になる場合がある

建築基準法第6条第2項では、防火地域および準防火地域「以外」の区域で行う増築・改築・移転について、その部分の床面積の合計が10㎡以内であれば建築確認申請は不要と定められています。約6畳程度までの小さな建て増しであれば、地域によっては確認申請なしで工事できるということです。

防火地域・準防火地域では面積にかかわらず必要

一方、防火地域・準防火地域に指定されているエリアでは、たとえ1㎡の増築でも確認申請が必要です。都市部の住宅地はこれらの地域に指定されていることが多いため、「10㎡以下だから申請不要」と思い込まず、自分の土地がどの地域に該当するかを市区町村の都市計画課などで確認しましょう。

注意点確認申請が不要なケースでも、建ぺい率・容積率などの建築基準関係規定には適合させる必要があります。無確認・違反状態の増築は、是正指導の対象になるだけでなく、将来の売却時や住宅ローン借り換え時に大きな障害になります。必ず建築士や工務店に相談のうえで進めてください。

増築後は固定資産税が増える:家屋調査のしくみ

見落としがちなポイントとして、増築をすると固定資産税が増えることが挙げられます。

固定資産税は家屋の床面積・構造・設備などをもとに評価額が決まるため、増築で床面積が増えれば、その分の評価額が加算されます。増築後には市区町村の担当者による家屋調査(増築部分の確認)が行われ、翌年度から新しい税額が適用されるのが一般的な流れです。

また、登記面でも、増築で床面積が変わった場合は1か月以内に建物表題部の変更登記を行うことが不動産登記法で義務付けられています。工事後の手続きまで含めて、あらかじめ資金計画と段取りを立てておきましょう。

リフォーム減税の「増改築等」に該当する場合

補助金とは別に、税金が戻ってくる(軽くなる)制度として、増築はリフォーム減税の対象になる場合があります。

1. 住宅ローン減税(増改築等)

増築を含む一定の増改築工事は、工事費用が100万円を超えるなどの要件を満たせば住宅ローン減税の対象になります。増築のためにリフォームローンや住宅ローンを組む場合は、年末ローン残高に応じた所得税の控除が受けられる可能性があります。

2. 同居対応リフォームの所得税控除

三世代同居のためにキッチン・浴室・トイレ・玄関のいずれかを増設する工事は、国の「同居対応改修」としてリフォーム減税(所得税の税額控除)の対象です。自己資金での工事でも使える制度で、工事完了の翌年に確定申告をすることで、標準的な工事費用の10%(上限あり)が控除されます。

3. 耐震・省エネ・バリアフリー改修との組み合わせ

増築と同時に既存部分の耐震改修・省エネ改修・バリアフリー改修を行う場合、それぞれの改修についても税額控除の対象になり得ます。どの工事がどの制度に当てはまるかの整理は複雑なので、契約前に施工会社や税務署に確認しておくと安心です。

補足減税制度には床面積・所得・工事内容などの細かな適用要件があります。詳しくは当サイトの「リフォーム減税とは」の記事で全体像を確認してください。

増築・増改築で補助が出る自治体を探す

当サイトでは、全国の自治体の住宅補助金のうち、増築・増改築が対象に含まれる337制度を特集ページにまとめています。三世代同居向けの増設補助、耐震改修と一体の増改築補助、子育て・介護向けの間取り変更補助など、自治体ごとの制度をエリアから検索できます。

補助金は「工事の契約・着工前の申請」が原則です。増築の計画が具体化する前の早い段階で、お住まいの自治体の制度をチェックしておきましょう。

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よくある質問

部屋を1つ建て増しするだけの増築でも補助金はもらえますか?

床面積を増やすだけの単純な増築を対象にした補助金は、国・自治体ともに多くありません。ただし、三世代同居のためのキッチン・浴室・トイレ・玄関の増設、耐震改修や省エネ改修を伴う増改築、子育て・介護目的の間取り変更であれば、自治体の補助金や国のリフォーム減税の対象になる可能性があります。増築の目的を整理したうえで、お住まいの自治体に該当する制度がないかを確認してみてください。

10㎡以下の増築なら確認申請は本当に不要ですか?

防火地域・準防火地域以外の区域であれば、床面積の合計が10㎡以内の増築は建築確認申請が不要です(建築基準法第6条第2項)。ただし、防火地域・準防火地域内では面積にかかわらず確認申請が必要で、都市部の住宅地はこれらの地域に指定されていることが少なくありません。また、確認申請が不要な場合でも建ぺい率・容積率などの規定には適合させる必要があるため、必ず事前に市区町村や建築士に確認しましょう。

増築すると固定資産税はどれくらい増えますか?

増築部分の床面積・構造・設備をもとに市区町村が家屋調査を行い、その評価額に応じて翌年度から固定資産税が増えます。増加額は増築の規模や仕様によって異なるため一概には言えませんが、木造で数万円/年程度の増加になるケースが目安として語られることが多いです。正確な金額は増築後の家屋調査で決まるため、事前に知りたい場合は市区町村の資産税担当課に相談してください。

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お住まいの自治体で使える制度を探す

補助金は国の制度に加え、市区町村ごとの独自制度を併用できることが多くあります。 下記の都道府県、または検索から、お住まいの自治体で使える制度をご確認ください。 多くの自治体ページには、国の省エネ補助金に対応できる「登録事業者」の一覧も掲載しています。 施工会社をお探しの方はあわせてご覧ください。

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出典: 建築基準法第6条第2項(10㎡以内の増築等の確認申請不要規定)は神戸市FAQ(https://faq.city.kobe.lg.jp/faq/show/902)・鹿児島市FAQ(https://www.city.kagoshima.lg.jp/faq-kankyomachizukuri/kenshido/q18.html)の公式案内で確認。補助金・減税の内容は各自治体の建築住宅課および国土交通省の公式案内をもとに一般的な事例を整理(個別の工事が補助・減税の対象になるかどうか、最新の予算状況については、必ず物件が存在する市区町村の公式ウェブサイトや窓口、施工を依頼する住宅会社・税務署にご確認ください)