重ねるハザードマップ(国土交通省)の使い方|住所で洪水・土砂・地震リスクを調べる手順(国土地理院の地図も)

● 2026/10/26 更新 ・ 出典は記事末に明記
重ねるハザードマップを解説する住宅補助金ナビの見出し画像:住所で調べる手順

この記事は住宅補助金ナビ編集部(nando合同会社)が、自治体・国の公式情報をもとに作成しています。記事内の[PR]は広告で、制度情報の内容や順序が広告によって変わることはありません(編集・更新ポリシー)。

最近の更新:2026/10/31 手順2の直後に火災保険の案内を追加し、補助金の通知登録をまとめの直後に移動(10月の読者行動をもとに導線を見直し)2026/10/26 「地形からわかる災害リスク」の見方を追加(国土地理院の地形分類の説明にもとづく)。NHKクローズアップ現代(10/26)で報じられた想定区域外の浸水を受けて。レビューを受け、家屋倒壊等氾濫想定区域・急傾斜地崩壊危険区域・内水ハザードマップの探し方・重要事項説明の対象範囲を追記

家を買う・借りる前に、その土地の災害リスクを確認するのが当たり前の時代になりました。2020年8月からは、不動産の契約前説明(重要事項説明)で水害ハザードマップ上の物件の位置を示すことが義務になっています。この記事では、国の「重ねるハザードマップ」を使った確認手順と、色や区域名が意味するものをやさしく整理します。

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この記事のポイント

  • 確認の基本は国土交通省の「重ねるハザードマップ」。住所を入れるだけで洪水・土砂災害・津波・高潮のリスクを1つの地図に重ねて確認できます。
  • 土砂災害警戒区域(通称イエローゾーン)と特別警戒区域(レッドゾーン)は都道府県が法律に基づいて指定するもので、レッドゾーンでは建築や開発に規制がかかります。
  • 2020年8月の宅地建物取引業法の改正省令施行により、水害ハザードマップの説明が重要事項説明の必須項目になりました。「聞いてから買う」が制度として保障されています。
  • 色が塗られていない場所でも、「地形からわかる災害リスク」で低地や旧河道なら浸水に注意。2026年8月の千葉豪雨では想定区域外でも床上浸水が起きました

手順1:「重ねるハザードマップ」で住所を調べる

国土交通省の「重ねるハザードマップ」(disaportal.gsi.go.jp)を開き、検討中の住所を入力します。洪水・土砂災害・津波・高潮・道路防災情報などをボタンひとつで地図に重ねられます。

確認する項目見るポイント
洪水(想定最大規模)浸水の色分け=想定される深さ。自宅だけでなく通勤・通学路や避難経路も見る
洪水(家屋倒壊等氾濫想定区域)氾濫流や河岸侵食で木造家屋が倒壊・流出するおそれがある区域。重ねるハザードマップの洪水の項目に「氾濫流」「河岸侵食」の2種類がある。木造住宅を検討する場合は必ず確認
土砂災害黄色=土砂災害警戒区域、赤=特別警戒区域。山ぎわ・がけ下は特に確認
津波・高潮沿岸部では浸水想定と避難場所までの距離をセットで確認

あわせて:自治体が配布する紙のハザードマップ(わがまちハザードマップ)には、避難所や地域独自の情報が載っています。国の地図と両方見るのが確実です。

手順2:区域名の意味を知る(イエローとレッドの違い)

土砂災害のリスクがある土地は、土砂災害防止法に基づいて都道府県が区域指定します。名前が似ていますが、意味は大きく異なります。

区域通称意味
土砂災害警戒区域イエローゾーン土砂災害のおそれがある区域。ハザードマップへの掲載や避難体制の整備が行われる
土砂災害特別警戒区域レッドゾーン建築物が損壊し住民に著しい危害が生じるおそれがある区域。住宅の建築に構造規制、特定の開発行為に許可が必要

イエローゾーンだから住めない、という意味ではありません。ただし避難の備えが前提になる土地であることは確かです。レッドゾーンは建築自体に規制がかかるため、購入前に必ず自治体の担当窓口で詳細を確認してください。

洪水の「浸水想定区域」は水防法に基づくもので、想定しうる最大規模の降雨を前提にした浸水の範囲と深さが示されています。「100年に1度」ではなく「1000年に1度」レベルの想定が基本になっている点は覚えておきましょう。

※このほかにも、急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律にもとづく「急傾斜地崩壊危険区域」など、別の法律で行為の制限がかかる区域指定があります。重要事項説明書には、こうした区域の該当の有無も記載されます。

土砂災害警戒区域や浸水想定区域に色がついていたら、次に見るのは自分の火災保険の「水災」の欄です。水災補償の付帯率は61.8%(2024年度・損害保険料率算出機構)で、4割の契約には付いていません。いまの契約に水災補償があるか、無料でまとめて確認する →[PR]

手順3:契約前の重要事項説明で必ず確認する

2020年8月28日に施行された宅地建物取引業法施行規則の改正により、不動産取引の重要事項説明で「水害ハザードマップにおける物件の所在地」を示すことが義務化されました。売買でも賃貸でも対象です。

  • 説明のときは地図のどこに物件があるかを自分の目で確認する
  • 浸水想定だけでなく、土砂災害の区域指定の有無も口頭で確認する
  • 気になる点は「指定の詳細は市役所のどの課で確認できますか」と聞く

当サイトの各自治体ページでは、住宅補助金とあわせて土砂災害警戒区域の指定状況の概況も掲載しています(概略値・法的な確認は必ず公式で)。街選びの入口としてお使いください。

注意点が1つあります。説明が義務になっているのは、水防法にもとづいて市町村が作成した水害ハザードマップ(洪水・雨水出水(内水)・高潮)です。市町村がそのマップを作成していない種類(たとえば内水や高潮)は、説明の対象に含まれません。「説明がなかった=リスクがない」ではないので、自分でも重ねるハザードマップと自治体のページを確認してください。

手順4:地震の揺れやすさはJ-SHIS(防災科研)で確認する

J-SHIS 地震ハザードステーションの使い方
  • ① j-shis.bosai.go.jp/map を開き、住所を検索する
  • ② 「確率論的地震動予測地図」で、今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率を色で確認する
  • ③ 「表層地盤」タブに切り替えると、揺れやすい地盤かどうか(地盤増幅率)も見られます

洪水系のハザードマップと違い、地震の揺れやすさは見た目では分かりません。J-SHISは国の研究機関(防災科学技術研究所)が公開している公式ツールで、住所単位で地震リスクの目安を確認できます。確率が高い・地盤が揺れやすい地域では、耐震診断・耐震改修の補助金 や 感震ブレーカーの補助金 の検討価値が上がります。

手順5:土地の高さ・昔の地形は地理院地図で確認する(液状化の手がかり)

地理院地図の使い方
  • ① maps.gsi.go.jp を開き、住所を検索する
  • ② 左上「地図の種類」→「標高・土地の凹凸」で、周囲より低い土地かどうかを色で確認する
  • ③ 「土地の成り立ち・土地利用」→「土地条件図」で、埋立地・旧河道(昔の川あと)など液状化しやすい地形かを確認する

液状化のリスクは「昔その土地が何だったか」に強く影響されます。地図上でいまは住宅街でも、旧河道や水田の埋め立てだった土地は相対的にリスクが高くなります。国土地理院の公式地図で無料で確認できるので、土地探し・中古住宅の検討時にあわせて見ておくと安心です。

手順5-2:色が塗られていない場所でも「低地」なら注意する(地形からわかる災害リスク)

ハザードマップに色が塗られていない場所は、「浸水しない場所」ではありません。洪水のハザードマップは大きな川があふれた場合を想定したもので、下水道の処理能力を超えてあふれる内水氾濫は別のマップが必要です。内水のマップを作っている自治体は限られるため、色がない場所でも、地形が低ければ水は集まります。内水ハザードマップは、「〇〇市 内水ハザードマップ」で検索するか、市区町村の防災ページで確認できます。重ねるハザードマップにも「内水(雨水出水)」の項目があり、作成済みの自治体の分はそこで見られます。

そこで見ておきたいのが、重ねるハザードマップの「地形からわかる災害リスク」です。地図上の場所をクリックすると、その土地の地形の種類と、国土地理院が整理した災害リスクの説明が表示されます。

国土地理院が示す、地形の種類ごとの水害リスク(地形分類の説明より)
  • 低地:河川氾濫、高潮、液状化に注意。地震時に揺れやすい
  • 後背低地・湿地、旧河道:河川の氾濫によって周囲よりも長期間浸水し、水はけが悪い
  • 凹地・浅い谷:大雨の際に一時的に雨水が集まりやすく、浸水のおそれがある
  • 自然堤防:洪水に対しては比較的安全だが、大規模な洪水では浸水することがある
  • 台地・段丘:河川氾濫のリスクはほとんどないが、河川との高さの差が小さい場合には注意
注意:ハザードマップの「色がない場所」で起きた浸水被害
  • 2026年8月の千葉豪雨では、ハザードマップで浸水が想定されていなかった住宅地でも床上浸水が起きたことが、NHKの取材で報じられています(クローズアップ現代、2026年10月26日放送)
  • ハザードマップで色を確認したうえで、地形の種類もあわせて見ておくと、「色がないから大丈夫」という思い込みを避けられます

地形のリスクが分かったら、火災保険に水災補償が付いているかを確認してください。付いていない契約は全体の約4割あります。判断の材料は「火災保険の水災補償は必要?」にまとめています。マンションにお住まいの方は、自分の部屋の契約だけでなく、管理組合が共用部にかけている保険に水災が付いているかも確認が必要です。

手順6:東京都内なら「東京被害想定マップ」も見ておく

東京都は、首都直下地震等の被害想定を地図で見られる「東京被害想定デジタルマップ」と、家族構成・建物の構造を入力して自分の想定被害を確認できる「東京マイ・被害想定」を公開しています( bousai.metro.tokyo.lg.jp/taisaku/torikumi/1000902/1023294/index.html ・東京都防災ホームページの案内ページ)。震度分布のほか、液状化危険度・建物被害・道路閉塞まで確認でき、都内で家を探す方には特に有用です。

まとめ:目的別・公式4ツールの早見表

知りたいこと使うツール運営
洪水・土砂・津波・高潮をまとめて重ねるハザードマップ国土交通省
地震の揺れやすさ・30年確率J-SHIS 地震ハザードステーション防災科学技術研究所
土地の高さ・昔の地形(液状化の手がかり)地理院地図国土地理院
都内の地震被害想定・マイ被害想定東京被害想定マップ東京都

いずれも無料・登録不要の公式ツールです。リスクが分かったら、備えの費用は自治体の補助金で軽くできます。防災リフォームの補助金一覧・耐震補助の一覧 から、お住まいの自治体の制度をご確認ください。

お住まいの自治体で防災・耐震の補助金が始まったら、メールでお知らせします(無料)

ハザードマップで分かったリスクへの備え(耐震診断・改修、感震ブレーカー、雨水タンク、ブロック塀の撤去など)の補助金は自治体ごとに違い、年度の途中で受付が終わることもあります。お住まいの地域で新しい制度が始まったとき、締切が近づいたときにお知らせします。 登録者には「申請前チェックリスト(PDF・災害時のお金チェック付き)」をその場でお渡しします。

※ 毎週月曜に、予算の消化状況と締切が近い制度のまとめをお送りします。配信解除はメール内のリンクからいつでもできます。メールアドレスは通知の目的にのみ使用します。

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水災を外す契約が4割に増えています。外すなら、ハザードマップを見てから。

水災補償の付帯率61.8%(2024年度・損害保険料率算出機構)/令和元年台風19号の火災保険支払 約4,442億円(日本損害保険協会)

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向いている人ハザードマップで浸水・土砂の色がついている場所に住んでいて、いまの契約に水災補償があるか分からない人
向かない人すでに補償内容を把握している人(保険証券の「水災」の欄を見れば分かります)

※ 提携パートナーの外部サービスです(当サイトは紹介料を受け取ることがあります)

よくある質問

ハザードマップで色がついていなければ安全ですか?

色がついていない=リスクゼロではありません。想定外の降雨や、調査が済んでいない区域もあります。土地の高低差や過去の災害履歴(自治体の窓口や古地図で確認できます)もあわせて見るのが確実です。

土砂災害警戒区域の家は買ってはいけませんか?

一概には言えません。イエローゾーンは「避難の備えが必要な区域」という位置づけで、多くの人が実際に暮らしています。ただしレッドゾーン(特別警戒区域)は建築規制があり、資産価値や保険の面でも影響が出やすいため、慎重な検討と専門家への相談をおすすめします。

ハザードマップはどのくらいの頻度で更新されますか?

区域指定や想定の見直しは随時行われます。契約・購入の直前には必ず最新の「重ねるハザードマップ」と自治体の公式情報で確認し直してください。

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  • 金額・条件・期限は公式ページの記載だけを載せ、当サイトの集計は数え方を本文に書いています
  • 記事は公開前に数字の照合と表現の確認を行い、誤りの指摘はお問い合わせから受け付けて訂正します

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補助金は国の制度に加え、市区町村ごとの独自制度を併用できることが多くあります。 下記の都道府県、または検索から、お住まいの自治体で使える制度をご確認ください。 多くの自治体ページには、国の省エネ補助金に対応できる「登録事業者」の一覧も掲載しています。 施工会社をお探しの方はあわせてご覧ください。

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出典: 国土交通省「重ねるハザードマップ」(disaportal.gsi.go.jp)、土砂災害防止法・水防法の公表資料、国土交通省 宅地建物取引業法施行規則の一部改正(2020年8月28日施行・水害ハザードマップの重要事項説明義務化)に基づき作成。区域指定の詳細は必ず各都道府県・市区町村の公式情報でご確認ください。 追補:J-SHIS(防災科学技術研究所)・地理院地図(国土地理院)・東京被害想定マップ(東京都)の公式公開情報(2026年8月19日閲覧)。 追補(2026/10/26):国土地理院「地形分類(自然地形)」の説明(gsi.go.jp/bousaichiri/lfc_index.html)、重ねるハザードマップ「地形からわかる災害リスク」。
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