この記事のまとめ
- 見るのは色の有無ではなく「深さ・継続時間・家屋倒壊等氾濫想定区域」の3点。同じ色つきでも意味がまったく違います。
- 想定浸水深0.5mは大人の膝上〜1階床上レベル、3.0mは1階の軒下相当、5.0mは2階の軒下相当が国の示す目安。深さで「上に逃げれば済むか」が変わります。
- 備えは①建て方(かさ上げ・電気設備の位置)②避難(経路とタイミング)③お金(火災保険の水災補償)の3点セットで考えます。
チェックリスト:契約前に確認する7項目
- □ 想定最大規模の浸水深(重ねるハザードマップで確認。0.5m未満か、3mを超えるか)
- □ 浸水継続時間(数時間で引くのか、数日続くのか。長時間の区域は在宅避難が難しい)
- □ 家屋倒壊等氾濫想定区域に入っていないか(河岸侵食・氾濫流で家屋倒壊のおそれがある区域。最重要)
- □ 避難場所と経路(徒歩で何分か。経路自体が深く浸水しないか)
- □ 内水(下水があふれる浸水)のマップも別にないか(自治体の内水ハザードマップ)
- □ 過去の浸水履歴(自治体窓口・水害統計。近所の人に聞くのも有効)
- □ 重要事項説明で水害ハザードマップ上の位置の説明を受けたか(2020年8月から義務)
最重要:「家屋倒壊等氾濫想定区域」だけは性質が違います。浸水ではなく建物ごと流失・倒壊するリスクの区域なので、該当する場合は購入自体を慎重に再検討してください。
深さの目安:数字を生活のイメージに変換する
| 想定浸水深 | 生活のイメージ(目安) |
|---|---|
| 〜0.5m | 大人の膝上まで。1階の床上浸水になりうる |
| 0.5〜3.0m | 1階の軒下まで浸かりうる。2階への垂直避難が前提になる |
| 3.0〜5.0m | 2階の軒下まで浸かりうる。自宅に留まる選択肢が消える |
| 5.0m〜 | 2階建てでは屋根まで。早期の立ち退き避難が必須 |
同じ「色つき」でも、0.5m未満と5m超では取るべき対策がまるで違います。物件のピンポイントの深さを必ず確認してください。
備え方:建て方・避難・保険の3点セット
- 建て方:基礎を高くする(かさ上げ)、1階を駐車場等にするピロティ形式、電気設備(分電盤・エコキュート・蓄電池)を2階や高い位置に設置、止水板の設置スペース確保
- 避難:警戒レベル4(避難指示)で全員避難が原則。夜間・冠水後の移動は危険なので、明るいうち・冠水前に動く計画を家族で共有
- 保険:火災保険の水災補償を必ず付ける。床上浸水等の支払条件と保険金額の設定を確認し、複数社で比較
浸水リスクのある土地は価格が手頃なことも多く、建て方と保険で合理的に備えて選ぶ家庭も少なくありません。リスクの中身を理解した上で、総コスト(建築の工夫+保険料)を含めて比較するのが賢い選び方です。
よくある質問
浸水想定区域だと住宅ローンは組めませんか?
浸水想定区域であること自体でローンが組めなくなることは基本的にありません(家屋倒壊等氾濫想定区域や市街化調整区域などは金融機関の評価に影響することがあります)。金融機関は主に担保評価と返済能力で判断します。
「想定最大規模」はどのくらいの雨ですか?
おおむね1000年に1度程度の確率の降雨を想定したものです。従来の「計画規模(数十年〜百数十年に1度)」より厳しい想定に置き換わっており、色がつく範囲も広くなっています。
マンションなら浸水想定区域でも安心ですか?
上層階の居住スペースは浸水しにくい一方、電気設備が地下や1階にあると停電・断水で生活が止まる例があります。受電設備の位置と管理組合の浸水対策を確認してください。
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