この記事のポイント
- 屋根一体型・屋根置き型を問わず、多くの火災保険では建物の付属設備として太陽光パネルも補償対象に含められます
- 補償対象になりやすい事故:火災、落雷、台風などの風災、雹災、雪災、飛来物の衝突、盗難など
- 地震・津波による損害は火災保険の対象外です。地震保険への加入で備える必要があります
- 契約している火災保険の内容によって、太陽光パネルが「補償対象に含まれているか」は異なります。証券や契約内容の確認が必要です
この記事は損害保険の一般的な商品性にもとづく解説です。保険会社・プランによって補償範囲は異なるため、正確な内容は契約中の保険証券・保険会社に必ずご確認ください。
火災保険で補償されやすい太陽光パネルのトラブル
太陽光パネルは屋外に設置される設備のため、自然災害によるトラブルが多く発生します。一般的な火災保険(住宅総合保険等)では、次のような事故が補償の対象に含まれることが一般的です。
| トラブルの例 | 該当する補償の種類 |
|---|---|
| 台風でパネルが飛ばされた・破損した | 風災 |
| 雹(ひょう)でパネルが割れた | 雹災 |
| 大雪でパネル・架台が破損した | 雪災 |
| 落雷でパワーコンディショナーが故障した | 落雷 |
| 飛来物(瓦・看板等)がパネルに衝突した | 物体の飛来・衝突等 |
| パネルや周辺機器が盗まれた | 盗難 |
注意点:落雷による「電気的な故障」は、契約内容によって「機械的事故」として扱われ、通常の火災保険の対象外になるケースがあります。心配な場合は「電気的・機械的事故特約」の有無を保険会社に確認しておくと安心です。
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実際どんな事故が多い?損害保険業界の統計から
日本損害保険協会が2024年に公表した太陽光発電設備向け火災保険の事故データ分析(企業向け保険が対象)によると、支払われた保険金の約8割を自然災害(雪災・水災・風雹災・落雷)が占めています。
| 事故の種類 | 発生保険金に占める割合 | 事故件数に占める割合 |
|---|---|---|
| 雪災 | 26% | 4% |
| 水災 | 24% | 3% |
| 風雹災 | 19% | 18% |
| 落雷 | 13% | 26% |
| 盗難 | 9% | 9% |
| その他(破損・汚損等) | 9% | 40% |
件数としては「破損・汚損等」や「落雷」が多い一方、金額で見ると雪災・水災の1件あたりの被害が大きく、保険金全体では雪災・水災の割合が高くなっています。また同調査では、銅線価格の高騰を背景に盗難被害が急増しており、2022年度の盗難による保険金は2017年度比で約20倍という結果も出ています。地域別では茨城・栃木・千葉など関東地方北東部での被害が目立ちます。
注意点:この統計は企業向け(産業用)太陽光発電設備の火災保険データにもとづくものです。住宅用(個人契約)の傾向とは異なる可能性がありますが、どのような自然災害・事故が太陽光パネルに起こりやすいかの参考として紹介しています。
補償対象外になりやすいもの
一般的な火災保険では、次のような損害は対象外とされることが多いです。
- 地震・噴火・津波による損害(地震保険への別途加入が必要)
- 経年劣化による性能低下・故障(自然災害ではなく劣化のため)
- 施工不良が原因の破損(保険ではなく施工業者の保証・瑕疵担保の範囲)
太陽光パネルの導入時には、メーカー保証(製品保証・出力保証)と施工業者の保証(工事保証)に加えて、火災保険(自然災害への備え)という3層で備えるのが基本的な考え方です。
今の契約で太陽光パネルが補償されているか確認する方法
太陽光パネルを後から設置した場合、既存の火災保険契約が「太陽光パネルを含めた建物評価」になっていないことがあります。以下の点を保険会社・代理店に確認しておきましょう。
- 太陽光パネルが「建物の付属物」として補償対象に含まれているか
- 契約している保険金額が、パネル設置後の建物評価額を反映しているか(設置費用が上乗せされていないと、いざという時の保険金が不足する可能性があります)
- 風災・雹災・雪災など、必要な補償がすべて契約に含まれているか(免責金額の設定も要確認)
太陽光パネルの設置を機に、火災保険の内容を一度見直しておくと、いざという時の安心につながります。
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水災補償の付帯率61.8%(2024年度・損害保険料率算出機構)/令和元年台風19号の火災保険支払 約4,442億円(日本損害保険協会)
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よくある質問
台風で太陽光パネルが飛ばされました。火災保険は使えますか?
多くの火災保険では「風災」として補償対象に含まれます。ただし契約内容・保険会社によって異なるため、まずは契約している保険証券の補償範囲を確認し、保険会社へ連絡してください。
地震で太陽光パネルが破損した場合はどうなりますか?
地震・噴火・津波による損害は、通常の火災保険の対象外です。補償を受けるには、火災保険とは別に地震保険へ加入している必要があります。
太陽光パネルを後から設置したのですが、火災保険の見直しは必要ですか?
必要になる場合があります。設置前の契約のままだと、太陽光パネルが補償対象に含まれていない、または保険金額が設置費用を反映しておらず不足する可能性があります。設置を機に、契約内容を保険会社に確認することをおすすめします。
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