解説ガイド ・ 制度の使い方

補助金と住宅ローン控除は併用できる?お得な組み合わせ方と計算の落とし穴をやさしく解説

2026/06/24 更新 ・ 出典は記事末に明記

「国の高額な補助金をもらうと、住宅ローン控除の枠は減ってしまうの?」「国と市役所の補助金は両方ダブルでもらえる?」家を新築・購入、あるいは大規模なリフォームをする際、誰もが直面するのが「制度の併用(組み合わせ)」の疑問です。結論から言うと、ルールさえ正しく押さえれば、補助金と住宅ローン控除は問題なく併用できます。ただし、確定申告時の計算方法や、国×自治体の重複制限には「知らずにいると大損する落とし穴」が隠されています。2026年現在の最新の併用ルールと賢い組み合わせ方をやさしく整理しました。

この記事の結論まとめ

先に要点だけ
  • 併用は可能:国の大型補助金(みらいエコ住宅2026など)をもらいながら、毎年の所得税等が戻ってくる「住宅ローン控除」を受けることは100%可能。
  • 確定申告の絶対ルール(引き算):住宅ローン控除を計算する際、「家の建築・購入価格(取得対価)」から「もらった補助金の額」を差し引いて(引き算して)申告する義務がある。
  • 国と自治体の補助金:お金の出どころ(財源)が異なるため、基本的にはダブル受給(上乗せ)が可能。ただし、同じ工事箇所に二重で満額をもらうことはできない。
  • 最大の注意点:国の同じ予算から出ている補助金同士(例:みらいエコ住宅の新築補助と、新築時の給湯省エネ補助)は、原則として重複して使えない。

補助金と住宅ローン控除は併用できる!ただし「引き算」に注意

補助金で初期費用(頭金や建築費)を直接削りつつ、入居した後は「住宅ローン控除」で毎年の税金を軽くしていく。これは、マイホームを建てる・買う上で最も強力で王道のお得な組み合わせです。

併用自体は認められていますが、入居した翌年の2月〜3月に確定申告を行う際、税法上の厳格なルールが存在します。それが「住宅ローン控除の対象となる建物の購入価格(取得対価の額)からは、国や自治体から受け取った補助金の額を差し引かなければならない」というものです。

⚠️ 実際の計算イメージ

例えば、3,500万円の新築住宅を建て、国の補助金「みらいエコ住宅」から100万円を受け取ったとします。【間違った申告】3,500万円をベースにローン控除を計算する → 税務署から修正申告を求められます。【正しい申告】3,500万円 − 100万円 = 「3,400万円」をベースにしてローン控除を計算する。

このように、補助金をもらうとローン控除の計算上の基準額(上限)はわずかに下がります。しかし、最初に100万円の現金を直接もらえるメリットの方が圧倒的に大きいため、「引き算になっても、補助金と住宅ローン控除は両方とも限界まで使う」のが正解です。

ひと目でわかる!代表的な制度の「併用可否」早見表

住宅関連の支援策には、同時に使える「○の組み合わせ」と、絶対に選べない「×の組み合わせ」があります。プランを決める前に必ず頭に入れておきましょう。

組み合わせる制度・メニュー併用の可否損をしないための重要ポイント
国の新築補助 + 住宅ローン控除○ 併用できる上述の通り、確定申告時に「購入価格 − 補助金額」で計算する
国の補助 + 自治体の独自補助△ 併用できることが多い国の財源と自治体の財源であればダブル受給が可能。ただし、同じ「窓」や同じ「給湯器」に両方から満額をもらう重複は不可
みらいエコ住宅(新築本体)+ 給湯省エネ(新築分)× 併用できない新築時に「みらいエコ住宅」の補助を受ける場合、同じ国の予算枠である「給湯省エネ事業」から給湯器単体での補助金を二重取りすることはできない
国のリフォーム補助 + 介護保険○ 併用できる窓の断熱は「国の省エネ補助金」、トイレの手すり設置は「介護保険の住宅改修費」というように、工事の対象(部位)が別々であれば併用可能

注意点どの制度が組み合わせ可能(または制限対象)になるかは、国会での予算成立や年度ごとの公募要領によって細かく変化します。契約前に必ずハウスメーカーの担当営業に最新の併用シミュレーションを依頼してください。

組み合わせで大損しないための3つのコツ

複数の補助金をパズルのように組み合わせる際は、以下の3つの防衛策を徹底しましょう。

1. 計画の最初の段階で、すべての「使いたい制度」を施工会社に伝える

「国の補助金はハウスメーカーが申請してくれたけれど、市役所の同居補助金は自分で申請することを知らず、着工してしまって対象外になった」という悲劇が後を絶ちません。新築・リフォーム問わず、最初の見積もり段階で「ローン控除、国の補助金、地元の市の補助金をすべて併用したい」と担当者に宣言し、全体のスケジュールを引いてもらいましょう。

2. 「同じ工事箇所(部位)」に2つの補助金を重ねない

「1枚の断熱窓の工事費が20万円だから、国の窓リノベ補助から10万円、市の省エネ補助から10万円をもらって実質タダにする」ということは原則としてできません。補助金を重ねる場合は、「窓は国の補助金、キッチンの二世帯増設は市の補助金」というように、工事の場所や目的をきれいに切り分けるのが基本です。

3. すべての制度で「着工・契約前」の申請タイミングを守る

補助金はお金が出る窓口が違えば、申請するタイミングや必要書類も完全に別々です。ある制度は「契約前に事前申請」、ある制度は「着工前に写真が必要」などルールが異なるため、それぞれの締め切りをカレンダーに整理して、フライング着工にならないよう厳重に管理してください。

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よくある質問

補助金をもらうと、住宅ローン控除の「毎年の還付金」は具体的にどれくらい減ってしまうのですか?

年末のローン残高や建物の購入価格によって異なりますが、多くの方の場合、実質的な還付金の額はほとんど減りません。住宅ローン控除は「年末のローン残高」または「建物の取得対価(補助金を引いた後の額)」のいずれか少ない方の0.7%が毎年の控除上限となります。多くの場合、引き算をした後の建物の価格(例:3,500万円−補助金100万円=3,400万円)よりも、実際に借り入れる「住宅ローンの年末残高(例:3,000万円)」の方が低くなるため、ローン残高ベースで控除額が計算され、毎年の還付金は1円も減らないケースが一般的です。トータルでは間違いなく両方使った方が圧倒的にお得になります。

国の補助金(住宅省エネキャンペーン)と、自分が住んでいる市役所の補助金は本当に重ねて(ダブルで)もらえますか?

はい、財源(お金の出どころ)が国と市区町村で完全に異なっていれば、基本的には併用して両方から受け取ることができます。例えば、国の「みらいエコ住宅」で新築住宅本体の補助金(最大125万円)をもらいつつ、地元の市区町村から「市外からの移住定住奨励金(30万円)」を別で上乗せしてもらう、といった組み合わせは最も賢い王道のルートです。ただし、自治体によっては「国の他の住宅補助金をもらう場合は、市の補助額を一律で半額にする」といった独自の併用制限ルールを隠し持っている地域もあるため、地元の募集要項の「重複受給に関する規定」を必ず確認しておきましょう。

補助金と住宅ローン控除を併用する場合、申請の手続きは一度にまとめてできますか?

いいえ、それぞれ全く異なるタイミングで、別々の窓口へ個別に申請手続きを行う必要があります。「国の補助金」は、家を建てる・リフォームする段階(着工前〜工事完了時)に、登録事業者である施工会社が国の事務局へオンラインなどで代理申請します。一方で、「住宅ローン控除」については、家が完成して入居した「翌年の2月〜3月の確定申告の時期」に、施主(あなた)自身が管轄の税務署へ必要書類を揃えて申告する流れになります。確定申告の際には、施工会社から発行される「補助金の受給証明書(金額の証明)」が必要になりますので、大切に保管しておいてください。

お住まいの自治体で使える制度を探す

補助金は国の制度に加え、市区町村ごとの独自制度を併用できることが多くあります。 下記の都道府県、または検索から、お住まいの自治体で使える制度をご確認ください。

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出典: 国土交通省「住宅取得に係る支援策の併用について」、国税庁「国庫補助金等を受け取った場合の住宅借入金等特別控除の計算」、各自治体の公式案内をもとに一般的な事例を整理(個別の世帯における住宅ローンの借入条件、各制度の最新の予算残り状況、正確な併用可否の判定ルールについては、必ず公式ウェブサイトや施工を依頼するハウスメーカー、または管轄の税務署にご確認ください)