この記事の結論まとめ
- FIT(固定価格買取制度)とは?:国が定めた「一定の期間、決まった高い単価で電気を買い取ってくれる」ボーナスタイムのこと。
- 売電価格のいま:2010年代に比べて売電単価は年々下がっており、現在は「電気を売って稼ぐ」時代から「高い電気を買わずに自分で使う(自家消費)」時代へ完全にシフトしている。
- 卒FITとは?:住宅用太陽光の場合、設置から「10年」でFIT期間が終わり、売電価格がガクッと下がるタイミングのこと。
- 蓄電池との関係:補助金を使って蓄電池やV2Hを導入し、「昼に余った電気を貯めて夜に使う」のが、今の太陽光の最も賢い使い方。
「売電」と「FIT(固定価格買取制度)」の仕組み
太陽光パネルが屋根の上で作った電気は、まず自分の家の中で優先的に使われます。それでも使いきれずに「余った電気」を、電線を通って電力会社に買い取ってもらうことを「売電(ばいでん)」と呼びます。
FIT(フィット)は国が約束したボーナスタイム
FIT(Feed-in Tariff)とは、国が電力会社に対して「太陽光で発電した電気を、一定期間、あらかじめ決まった価格で買い取りなさい」と義務付けた制度です。
- 期間:住宅用(10kW未満)の場合、買取期間は設置から「10年間」と決まっている。
- 価格:設置した年度の単価が、10年間ずっと固定で適用される。
制度が始まった当初(2012年頃)は、1kWhあたり42円という非常に高い価格で売れたため「太陽光=投資・儲かる」というイメージがありました。しかし、太陽光パネルが普及して安くなった現在、このFITの売電単価は年々下落しています(2026年現在は15円前後が目安)。そのため、今は「安く売るくらいなら、高い電気代を払わずに自分で使い切ったほうがお得」という考え方に変わっています。
「卒FIT」と「自家消費」へのシフト
太陽光パネルを設置してから10年が経過し、国の約束した高い価格での買取期間が終了することを「卒FIT(そつふぃっと)」と呼びます。
卒FITを迎えるとどうなるの?
売電自体ができなくなるわけではありませんが、電力会社が独自に設定する安い買取価格(1kWhあたり7円〜9円程度など)にガクッと下がってしまいます。
| 期間のフェーズ | 電気の使い方の基本戦略 | 経済的なポイント |
|---|---|---|
| FIT期間中(設置〜10年) | 余った電気を、固定価格でそのまま電力会社へ「売電」する | 設置した年度の単価で確実に買い取ってもらえるため、初期費用の回収期間になる |
| 卒FIT後(11年目〜) | 売電は最低限にし、発電した電気は自分の家で使い切る「自家消費」へ切り替える | 高い電気を電力会社から買わないことが、最大の節約(経済効果)になる |
ポイント:FIT期間中と卒FIT後では、電気の流れと経済的なメリットが大きく変化します。設置後10年を一つの区切りとして、早めに自家消費への切り替えプランを考えておくと安心です。
補助金と「蓄電池・V2H」の切っても切れない関係
「電気を売らずに自分で使う(自家消費)」といっても、太陽光は昼間しか発電しません。夜に電気を使うためには、昼間に作った電気を「貯めておく」設備が必要です。そこで現在、太陽光発電とセットで導入されるのが家庭用蓄電池や、電気自動車(EV)を蓄電池代わりにするV2Hです。
家庭用蓄電池
昼間に太陽光で余った電気を貯め、夜間のエアコンや照明に使います。卒FITを迎えた家庭が「自家消費」へ切り替えるための必須アイテムです。
V2H(Vehicle to Home)
大容量のバッテリーを積んだ電気自動車(EV)に昼間充電し、夜はその車の電気を家に戻して使います。
2026年現在、国や自治体は「太陽光パネル単体」で設置するよりも、「太陽光+蓄電池」や「太陽光+V2H」といった、完全に自家消費できるセットに対して非常に手厚い補助金を出しています。太陽光の導入を検討する際は、パネル単体の見積もりだけでなく、必ず「蓄電池を含めた場合の実質負担額(補助金引き算後)」も合わせてシミュレーションしてもらいましょう。
よくある質問
10年経って「卒FIT」になると、電力会社への売電はできなくなってしまうのですか?
売電自体は引き続き可能です。ただし、今まで1kWhあたり15円〜20円などで買い取ってくれていたものが、卒FIT後は電力会社が独自に定める7円〜9円程度の安い価格に下がってしまいます。電力会社から電気を買うときの価格は30円〜40円近くするため、「7円で安く売って、夜に40円で買う」よりも、「蓄電池に貯めて夜に自分で使う(40円の出費を防ぐ)」ほうが圧倒的に経済的メリットが大きくなります。
太陽光発電は「売電で稼ぐ」のと「自家消費で電気代を抑える」の、どちらがお得ですか?
2026年現在の電気代高騰とFIT価格の下落を考慮すると、間違いなく「自家消費で電気代を抑える」ほうがお得(有利)です。現在の太陽光パネルは「儲けるための投資」ではなく、「将来の電気代高騰リスクから家計を守るための防衛策(保険)」としての役割に変わっています。
太陽光パネルや蓄電池を設置する際、補助金は使えますか?
はい、使えます。国の補助金はZEH新築などのセット枠が中心ですが、都道府県や市区町村(自治体)からは、既存の家への太陽光や蓄電池の導入に対して手厚い独自補助金が豊富に用意されています。自治体によって金額が大きく異なるため、まずはお住まいの市区町村の役所ホームページ(環境対策課など)を必ず確認してください。
お住まいの自治体で使える制度を探す
補助金は国の制度に加え、市区町村ごとの独自制度を併用できることが多くあります。 下記の都道府県、または検索から、お住まいの自治体で使える制度をご確認ください。
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